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こんにちは! ジュエリー&きもの < サロン・ド 裕理 > の店長 児島です。

伊勢崎銘仙についての3回目の記事になる今回は、伊勢崎銘仙の作り方・工程について書いてみたいと思います。

伊勢崎絣は一枚の着物を作るのに必要な一反分(長さ約十二m、幅約三十八㎝)を織りあげて製品になるまで、
製造工程ごとに分業化され、それぞれを熟練した技術者たちが担っています。
一つ一つの工程を受け持つ技術者のうち、一人でも気を抜くと織物はきれいに仕上がりません。
伊勢崎絣は人間関係の和が生み出した織物といえるでしよう。
糸を染める時の方法により工程の違いがありますが、織物ができるまでの流れを見てみましょう。


1、デザインを考える

生産者(多くの場合、機屋とよばれる人)は、仕土がった織物を想像しながら、また製作もしやすいように、
方眼紙に模様のデザインを描きます。この時の柄と色の構成が最も重要です。
次に、布の長さや幅、糸の密度や本数、生産数量を考えて必要な糸の量を決めたり、工程の方法を決めます。


2、原料を用意する

原料の糸は、おもに蚕の繭から採った生糸を使います・しかし・直接農家から糸を買うことはありません。
経糸はおもに横浜で取り引きされ、緯糸は前橋の製糸工場よりそれぞれ業者を通して購入します。

img071b.jpg
買って来たばかりの糸


3、糸をきれいにする(精錬・綛のり付け)

仕入れたばかりの糸は、石けんなどを入れて煮ます。こうすることで、にかわや脂肪、たんぱく質などのよごれが
取り除かれ、絹の光沢が出ます。これを精練といい、染色工場で行います。
ここでは、まっ白にするための漂白も行われます。
精練された絹糸は、工程中に糸の毛羽立ちを防ぐためのり付けされ、干して乾かします。

img072b.jpg
精練作業の様子


4、糸の長さと本数を整える(糸繰り、整経)

のり付けされた絹糸は、整経屋で糸繰りされます。糸繰りとは、絹糸一本一本をボビンや木のわくに巻き付けることです。
このときに、糸の張り具合を一定にしておかないと、良い織物には仕上がりません。

img072c.jpg
糸繰りの様子

その後、織り上げる布に必要な経糸や緯糸の長さや本数を整える整経が行われます。
整経では、設計どおりになるよう、糸が整えられます。 整経した糸は扱いやすいように、整経枠から束にして取りはずします。
この束になった糸のことを経玉(へだま)といいます。

img072d.jpg
糸の整経の様子


5、糸を染める

①締括(しばり)の場合
図案をもとに、絵柄にしたい部分に墨で目印をつける墨付けをします。
そこへ配色に従って、染料とのりを合わせたものを、棒で上下からはさみつけ、交互に動かしながら
すり込むように染めます。これを「摺込捺染(すりこみなっせん)」といいます。
染めた部分がよく乾いたら、この部分を綿糸やポリエチレンテープなどでしっかり括り、
地色を染める時に染料が染み込まないようにします。
締括がすんだ糸を熱湯につけ、熱によって色がきれいにでるようにします。

img072e.jpg
テープで括る

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染める


②板締の場合
板締絣の特徴は、手でしばる締括ではできないような細かい柄を染め上げられることです。
この方法では模様に合わせて溝が刻まれた板に経糸と緯糸をそれぞれ巻きつけ板積みし、
染色しない部分をよく締め付けて染色槽(染料の入った箱)に入れて染色します。
これにより溝の部分だけに染料が染み込み板締絣独特の模様を作り上げていきます。

img073b.jpg
板を糸に巻きつける

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板積みする

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染める


③捺染加工の場合
捺染加工では型紙を使用するため、まず図案に基づいて型紙を彫ります。
図案から配色構成した必要枚数の渋紙を彫刻刀で彫り、漆を塗って仕上げます。
この型紙を経糸・緯糸にあてて、それぞれ色を刷り込んでいきます。
その後、染料がよく染み込んで色がきれいになるように、蒸箱にいれて蒸熱します。

img073e.jpg
型紙を彫る

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色をすりこむ


6、織る準備をする(糊張り、経巻き、引込)

染色がすむと糸は洗って糊付けされ、日当たりのよい屋外でよく乾かします。
糊張りを終えた経糸は、糸束になっているので、巻屋(糸を巻き取る職人)でお巻(糸を巻く筒)にていねいに巻きとります。
これは経糸を図案の通りに組み込む工程で経巻(へまき)といいます。
巻きくずれを防ぐために、ボール紙を間にはさみ込みます。
製織する時に柄が崩れるのを防ぐための重要な工程になっています。

お巻に巻き込まれた経糸は、綜絖や筬(おさ)に通されます。これを引込といいます。
綜絖は、経糸を上下に分け、口の開いたところに緯糸を通す役目をします。
綜胱には、中央部にメールという糸を通す穴があり、これに一本ずつ経糸を抜き針を使って通します。

次に、経糸を筬に通します。
筬は織物の幅と経糸を整え、杼(ひ)で打ち込まれた緯糸を押さえて織り目の密度を決める道具です。
くしの歯のようなものを筬歯といいます。
筬歯を傷つけないように、さんご(蕨通し)という道具をすき間に入れ、2本の経糸を、このさんごに引っかけて筬に通します。
引込のときに特に注意することは、糸を綜絖に通す順をまちがえないことと、
糸を筬に通すとき、筬の目があかない(通っていないところがない)ようにすることです。

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経巻き

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経糸を綜絖に通す

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経糸を筬に通す


7、織る(機上げ、製織)

6の工程がすんだ経糸は機台にのせて製織の準備にかかります。これを機上げ(はたあげ)といいます。
緯糸は、手動管巻機(糸車)で数本の竹管に巻とり、それを杼の中に取り付けます。
織り方は次のような仕組みによります。
①まず、両足を踏み木の上に乗せ、交互に踏 み込むと、経糸は綜胱によって上下に二分され、杼の通る口ができます。
②次に、右手で引き綱を引っぱると、杼は反対の杼箱へと動いていきます。このとき、緯糸が経糸の間を通ることになります。
③最後に、左手で筬づかを手前に強く引き、筬打ちをします。

① ③の動作を繰り返すことにより、一本ずつだった糸が組み合わされて一枚の布になっていきます。

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製織


8、検査・仕上げ

織りあがった織物は、一枚一枚品質を検査し、それに合格すると色が落ちないような処理をしたり、
幅と長さをそろえたり、つや出し機にかけたりして製品になります。

img074c.jpg
仕上げ

img074d.jpg
検反


こうして、多くの人の手と長い時間をかけて生まれた「伊勢崎絣」は、全国へと運ばれて行くのです。

近々、伊勢崎銘仙の作り手で、NHKドラマ”カーネーション”の衣装やイッセイミヤケのパリコレで着用された生地を製作し、
質の高い製品を作り続けている木島織物さんの製作工程の写真も、ブログで掲載していきたいと思います。

次回は伊勢崎銘仙の種類について書きたいと思います。 


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